橙に包まれた浅い青

受賞・入選など14篇。 写真詩・イラスト詩・ポエム動画など2333篇以上を公開。


買いにいったんだ
買いたいモノがあったから
買いたくて仕方がなかったから

どうだろう
どうなってんだろう
買いたいものを見た瞬間
それは色褪せ始めていて
それでもやはり買わずにはいられなくて
結局は買うんだけど
買いたいものを買った瞬間
それはもう枯れてしまっていて
それでも「買ってよかった」と
納得するしかなくて

あっけないものだね
買いたい欲求なんてね
あっけないものだね
あんなに買いたかったモノなのにね

買いにいったんだ
買いたいものがあったから
買いたくて仕方がなかったから
たしかに買いたいモノがあったから
たしかに買いたいはずのモノだったから

認めたくないけど最近は
「買う」を「会う」に置き換えても
「モノ」を「人」に置き換えても
違和感らしい違和感がない僕らだよ




「見せモノじゃない!」
理解できる
共通言語をもっていたとしたら
彼らだって
そう言いたい日があるんじゃないのかな

親子連れやカップルたちの
笑顔を咲かせるために
せっせと一芸を
来る日も、来る日も磨き上げていく

「この仕事、辞めたいんです」
と自分から言うことのできない彼らは
駄々をこねるか
 体調を崩すか
  人を傷つけるか
   老化を待つかして
    客寄せ稼業から離れていく

ベテランだろうが
引退間近だろうが
辞めたいときは辞めたいんだ
辞めたいときが辞めどきなんだ

衣・食・住に恵まれた
それと引き換えに
野生のように伸び伸びとはできなかった

幸せなのか
不幸なのか
はっきりとしない瞳で
 檻の向こうの空を 見上げていた


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