橙に包まれた浅い青

受賞・入選など14篇。 写真詩・イラスト詩・ポエム動画など2333篇以上を公開。

2006年09月

傀儡でも構わない 導いてくれるなら
それが唯一の思考でした


さよなら以外でここから抜け出したい
それが唯一の意志



旅路の果てに光は溢れていない
たぶん現実は想像を越えられない



始めから繰り返しているんだ エンドロールを
終わりから遡ってみたいんだ やり直せない分



変えるんだ思想という思想を 世界を変えるために
構造を破壊するために変えてしまおう 優しさという殻を



踏み外してもいないのに足元を見つめてばかりだよ
相変わらずそのことを深く気にしている 心が素敵だよ

くたびれた日常にそっと吹き込み
できない呪縛からほどいてあげる
それが君への使命 僕の糧


じっとなんかしていられない
目の前に憧れがやってきたから
眩しすぎる陽射しに負けない笑顔
誰にも負けない持ち味なのに
どうしてそんなに隠してばかり





甘く遠く 夢を引き連れ
ほろ苦くも爽やかな風の吹く丘へ
踏みにじった指先 時を越え優しく絡ませる
永遠なんてほしくない
思い起こされた擦れ違い
振りほどけない糸なんてほつれたままでいいよ


ダメになる前に撃ち逃げ
僕等は美しくも儚く燃えていく
奏でる指にそっと重ねながら

失ってきた物を少しでも多く拾い集めに行こう
今日から始まるあてのない旅


空っぽのトランクに寂しさを敷き詰め
懐かしい顔のある街へ


振り返れば手土産物らしいものを持たず
夢中で逃げ出してきたみたい


切なさと悲しみを拭い去るために高速列車
ページをめくり終える暇もない刹那の帰郷


2時間ほどで辿り着ける過去
それでも避けてきた歩み


もう二度と戻れない気がしたあの頃

変わり映えのしない車窓

再開発著しい数年ぶりのホーム

東京らしさに理想を求めてきた駅前

集積された分 街のらしさがあせってしまったようで


合併されても変わらず残る母校
都合よくすべてがそのままとはいかないみたい


なくしていた心を埋めるかけらはかけらのまま
ふとよぎる 忘れかけていた感情


良くも悪くも整えられた街並
相変わらずの笑顔 ばかりではない


色とりどりの形に分れていく
すべてを喜びに変えれるとばかり思っていたわけじゃない

投げ棄てても構わなかったはず


細分化された重みと増えた寂しさを詰め込んだトランクを片手に
見慣れた顔のある元の街へ

色づき始めた木の葉
眩しそうに見上げる瞳
切り取られた風景はいつかの繰り返し



朝は綺麗だよ 朝焼けがなくても
夜を経ることで研ぎ澄まされているのかもしれない
雨が降っていてもそれは変わらないよ



新しいよ 朝はやはり何かが 全てではないけれど少しずつ決定的に
違うものをとりいれているのかもしれない



朝は静かだよ 爆音に溢れていても
包み込むことを課せられているのかのようだ



行き先のない午前は 救いようのないほど長く

抽象的な夢は 水彩画のように淡く

ガラスの心を串刺し 
西経145度の覚醒


優勢 劣勢 括れない性分
羽交い絞めにされたテディベア


ささくれた想いは君の腕の中を夢中で
今日限りといわんばかりに駆け巡っていく


大きな夢を描く術を持っている
そんな雰囲気を醸し出すのだけは上手く


優勢と劣勢 数え切れない格付


引き裂いてきた日々に郷愁
戻せない現実は苦笑い


裂けかけの夕焼
東経37度の没落


優勢劣勢 曖昧なまま生かされ
ハリボテのロマンティストのまま


最低なのは踏み出せない右の心
許せないのは憧れ続ける左の心


ささやきに似たため息
ついてばかりの日々


さよならをくれたアナタにいつかこの後悔を突き返してやりたい
全部ブッ壊して飛び切りの後悔を味あわせてあげる


振りほどけない過去を染み込ませ
歳月を永遠へと昇華


描いて 消して 描いて 魅せて
繰り返し駆け回りつづけていく

このページのトップヘ