橙に包まれた浅い青

受賞・入選など14篇。 写真詩・イラスト詩・ポエム動画など2333篇以上を公開。

2008年01月

              届いて   気づかれないように
              響いて   聴こえないように


              気づいて   届かないように
              聴いて     響かないように
              伝わって   伝わらないように







              事も無げに駆ける君と擦れ違い
              鼓動は生き生きと高鳴り始めたんだ







              この構造をそのまま開けて   見せてあげたいよ
              この意識をそのまま移して   感じてほしいよ








              一生叶わないから
                          言葉を連ねていくんだろう






              一生通わないから
                          焦がれ続けるのだろう








               逢いたいよ   2人だけで
               並んで歩いてみたいよ





               手なんかつないでくれなくていいから
               一日限りの友達でもいいから














               君が歩く   それだけ

                  映画のようなシーンが浮かんできた








               君が近づく   それだけ

                  初恋のように胸がときめいてきた








               君が振り向く   それだけ

                  自分じゃないみたいにがんばることができた








               君が笑う   それだけ

                  このまま途切れてもいいと思えた








               君が男の子といる   それだけ

                  空が終末めいて見えた








               君を見れる   それだけ

                  ぼくは 強く生きている心地がした








               君がいる   それだけ

                  ありきたりな毎日がかけがえなくなった













               君がいる     それだけでうれしい



               君がいる     それだけでやさしい



               君がいる     それだけでかなしい



               君がいる     それだけですばらしい














               君が羽ばたく   それだけ

                  向かい風が追い風に思えてきた










               君がいる      それだけ  それだけ

          想像の言葉  みなぎらせ
          果てしない地へ思い馳せ
          後悔に埋め尽くされた季節を   やわらかに 緩やかに   たしなめるだけのために







          勢いに任せた年頃
          指くわえて眺めていた頃
          脱出を計る甘すぎる午後
          何度となく試みた午後








          「 行くぞ! 」

          今度こそはと強く刺す





















          想像の過去  ゆらめかせ
          途切れた心へ願い足せ
          自由に囲まれた眩い季節を   静かに しとやかに   乗り越えるだけのために








          優勢にかまけた年頃
          背中を大きく伸ばせなかった頃


          脱出を計る眩しすぎる朝
          何度となく試みた朝








          「 行くよ! 」

          今度が最後という覚悟
















               あふれる想像を背に  なびくような拡静めざして
















          想像の想送  くるませ
          擦り切れた時へ問い正せ


          爽快に彩られた儚い季節を   まろやかに ささやかに   たしなめながら乗り越えるために
                                                               

このページのトップヘ