橙に包まれた浅い青

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2021年07月


意思か欲望か気まぐれか好奇心か
こうして今
あなたはこの詩を読んでくれている
つまり、23篇で100円のこの電子詩集を購入して頂いたわけだ。

不思議っちゃ不思議
自分の詩が売れたんだから
どう考えても売れる見込みのない詩集が売れたんだから
買ってくれたあなたにわざわざ書いて伝えることでもないが
「まさか、この詩集を買ってくれるとは」 というのが正直な心境だ。

「100円払った価値はあるでしょ?」という自信満々半分
「100円払って損したと思ってます?」という申し訳なさ半分
両極端な想いを渦巻かせつつ
真夜中の屋根裏部屋でケータイにこの詩を打ち込んでいる。

お気に召した詩はありましたか?
23篇しか収録していない詩集で満足でしたか?
あなたがわざわざ100円払って
この詩集を買って
この詩を読んで
この行を読んでくれていることに ただただ感謝を覚える。

そして
意思か欲望か気まぐれか好奇心か何となくか
動機は定かでないが
100円払ってこの詩集を読んでくれた
そんなあなたの心意気をしっかりと受け止めて
もっと良い詩を目指し
これからも詩作と試作に励まねばと 改めて深く思う。

  


 
この詩は
電子詩集「 ポエトリー ・ パレード 」に収録されています。
 
 
【 無料版 】は7篇収録  価格0円

【 完全版 】は23篇収録 価格100円 → 0円
(  2019年2月2日から無料公開スタート  )

 
両版ともに、1~7篇目までは同じ内容です。
 
 

 
 
 

 


弛緩する全景
すり抜けてゆく数々の春夏秋冬
繋ぎとめていたかった面影ばかり霞んでゆく

夕陽を背に
手を振り合ったランドセル
当然のように
その先には明日たちが
待っていた 待っているはずだった

随分
遠い過去のことを語るような目つき
随分
遠い未来のひとへ語るようなつぶやき

過去にできない現実を
丁寧に丁寧に
祈りに祈るように
物語へと高めていかざるを得ない

狙い澄ました
わけでもないだろうが
淡くどす黒い重底音が
徐々に徐々に、立ち込めていく最中
破裂した
破裂するはずのないものたちが
破裂した
破裂してはならないものまでも道連れに

義務を果たすように
激しく、激しく、波打った鼓動
使命を果たすように
儚く、儚く、散っていった街路樹
いつもと変わりなく
朝も夜もくり返したラッシュアワー
押し寄せる
時の砂に攫われてもなお
抗って抗って
そうすれば 忘れられるような気がして

「止めるべき」が
積年に応えるよう
説得力を増しながら
「止めてはならない」を越えていった夏

「止めたい」を
上回る勢いで
根拠という根拠が剥がれたのに
「止めてはならない」が盛り返した冬

いいかい?
そうかい・・・
噛み合わない喧々諤々
成熟の感触を
味わわないまま債務だけが肥大

言葉が泣いた
言葉になれぬまま泣いていた
詩歌が枯れた
詩歌になれぬまま枯れていった

続けてはならないことを
続けてしまう
慣れてはならないことに
慣れてしまう

ただ
その光景を見ていた
ただ
その光景を
見ていることしかできなかった

よくわかるよ
わかりすぎるよ
私も そうだったから
私も その1人だったから

  

 

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吹きつける向かい風
この寒さを味わえるのも残り僅か
そう思うと
厚めのニット帽も自然と外したくなる

長引く寒波
ここ数年で稀に見るほど寒い2月
乱れるダイヤ
各地での落雪・転落事故
うんざりするような寒さ
春への待ち遠しさを加速させる

狙い済ますというほどではないけど
少し早めに
春色中心で重ね着してみたりして
気分だけは春爛漫モードで
ただただ待ちわびるばかりの日々

春、春、春
大いに咲いておくれ
早く、早く、早く
そんなに遠慮しないでさ
春一番、一番、一番
とっとと吹いちゃってくれ

ふいに切り換わるんだろう
気まぐれなキミは
ふいに和ませてくれるんだろう
ある日を境にして
あきらかな暖かさを伴って

必ず来るとわかっていても
じれったさはどんどん募ってしまうよ
必ず来るとわかっていても
当分来ないんじゃないかと不安にもなるよ

春、春、春
大いに咲いておくれ
早く、早く、早く
そんなに遠慮しないでさ
早く、早く、早く
全国民を代表してお願いしますよ

    


 
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両版ともに、1~7篇目までは同じ内容です。
 
 

 
 
 



華やぐ赤日の高層
目に入れても痛くない素振りで
有無言わせず
ベールの向こうへ手招き

「こんなはずでは・・・」と
口には
出さなかったのが
何よりもリアルな証拠となって
後味を
薄めていくばかり 神妙と

遠去けすぎたリスクは
コストを通り越したのちにもはや幻想
薄々
気づきながらも
祭り上げずにはいられなかった
未熟なコンプレックス

「こんなはずでは・・・」と
喉から
零れかかったのが
何よりもリアルな確証となって
継続を
避けられるはずだった 慎重と

言いたいことが
言うべきことが
さらさら
 さらさらと
許認可を求め
 監視カメラの路地に 蜿蜒と

善と悪が
得と徳が
しらしら
 しらしらと
許認可を求め
 口コミの大通りに 奄奄と

   


 
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枯れ落ちた瞼
左手の甲に乗せて
生前にしておきたかったこと
生前にしておくべきだったこと
今さら、今さら

口にすれば
三行で事足りること
言い淀んでるうちに迎えたその日

示し合わせたような
北北西の風に合わせ
小刻みにゆれる木漏れ日が縁取る
数々の慈しみに満ちた温もり

セピアに色づいてしまう前に
モノクロに染まっていく前に
目の前にはもういない
目の前にはもう返ってこない
だけど
何か形にして受け継いでおかねば

回る針が速度から解放されて
回る足が強度から解放されて
理想郷にも等しい未来
夢見続けているのは
その愚直な意志の名残でしょうか

諦めきれない茜の短冊
拭いきれない茜の星屑
あの三行が
この胸の中で行き場を失くしたまま
どっぷりと深みを増していく

春が、夏が、秋が、冬が
当たり前に香らせて今年もまた通りすぎて
晴れが、雨が、曇りが、雪が
当たり前にくすぐって今年もまた通りすぎて

思い出したように
左手の甲の瞼をそっと舐めれば大層な雲は
風に飛ばされながら
細かく千切れて
告別を象徴する切り画となった

    


 
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窓から滲んでくる
環状線を行き交う車の音
ぼんやりとしたそれは
ふるさとの浜辺で聴いた
波の音にも似ている

時折
近づいてくるヘッドライト
住宅街を
さっと擦り抜けてゆく

長い夜になりそうだと
千鳥足のアラブ系住民が
歌うように駅の方へ向かう

よくできました世界
今日も、ほんとよくできました
疲れた身体を労わる
深い蒼い夜が続いていく

片づけなければならないこと
とりあえず明日の朝までに仕上げるべきこと
絞り込んで
グゥ〜と腕を伸ばし
窓からの風を
大きく深呼吸して
2階からの
夜景鑑賞を終わらせる

窓から
うっすらと光が滲んでくるまで
一定のボリュームで
環状線を行き交う車の音は
あの日々の波のように響き続け
鼓動の目安として寄り添ってくれる

   


 
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サッカー中継に
皆が夢中の時間
私は一篇でも素晴らしい
詩を書こうと
ああでもない、こうでもないと
ノートに書き殴っていた

本当は少しだけ
サッカーの結果も気になってた
けれど
ここで皆と同じように
サッカーを見て感動してては
いつまで経っても
私の力で皆を感動させることは
二度と無理な気がして
今は書かなきゃと
妙な自惚れと使命感に燃えてた


歓声が聞こえてくる
テレビ画面を破る勢いで
歓声が聞こえてくる
一階の茶の間からドカーンと

私もいつか
あんな歓声を
この詩で、この存在で
巻き起こせたらな
巻き起こさなくちゃ


サッカー中継が終わって
皆が寝静まる頃
いくつかの詩ができていた

この中の
原石を磨き抜き
素晴らしい一篇を完成させ
明日届けたいな
世界に届けないとな

    


 
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誰もいない
誰も歩いていない
台風だから
台風が来てるから

雨が強い
風が激しい
台風だから
台風が来てるから

いつもなら
ここら辺で立ち話してる
おばさんたちも
今日はさすがにいない
台風だから
台風が来てるから


ビショ濡れは嫌だけど
気兼ねなく
視線を気にせず歩ける
誰もいないから
誰も歩いていないから

靴はズクズク
ズボンはドボドボ
シャツはビチャビチャ

でも、心は笑顔
ぼくにとっては あるきびより
台風だから
台風が来てたから

    


 
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水面に映るシルエット
夢中に 冷静に シャッター
永遠にできぬ水仙
永遠にしようとして止まない


午前の陽射しに包まれ
和らいでゆく斜線の横顔
するべきことに追われた
したいことに押し潰された
昨日までを浄化するように
私たちは
天空を見上げる蟹を見つめる


覚えていて
くれなくていい

思い出して
くれなくていい

この心だけがきっと
また 一人で思い出すから


最初で最後の
旅になりそうな予感
何度も何度も拭おうとして
慣れぬ冗談で茶化そうとしたり
今までしてあげられなかったこと
ふんだんにサプライズに包み込んだり


最後とわかっていたから
こんなに 頑張れたのかもしれない

最後とわかっていたから
あんなに 笑ってくれたのかもしれない


キャンドルが揺れる
寄せ合う肩を縁取っていく

夜が深まっていく
朝を遠ざけるように
互いの未来を鎮めるように

    


 
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掴みかけては
率先して自ら撤退
優柔不断を
反省どころか 美徳とさえ思っていた日々


何を売るべきだったのか
何を得るべきだったのか
自分で自分に問いかけずにはいられない
鏡に駆け込むたび
何十分も仕事を忘れて 詰問苦悶で


処刑台代わりの夏の陽射しのホーム
容赦なく
露にされてゆく
この身体の、この志向の、この感性の、この
習性の、この自制の、この記憶の1番、1番
素晴らしくて
 素晴らしくて
  素晴らしくて
  それはそれは醜いとこをピンポイントで


メラメラ
 ゆら、ゆら
  無声音をこだまさせる白線の内側
メラメラ
 くら、くら
  落涙を汗に馴染ませる白線の内側


何かが楽になるような気がして
何かがはじまるような気もして


しらふでギコチないホップ
千鳥足のようにはいかないステップ
夏の陽射しを
静かに照り返す黒い革靴が
白線の外側で
わたし発とはとても思えないジャンプ

    


 
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眠らない街でも
さすがに鎮まる真夜中
本格化する工事
煌々と照らされる
    無数の影が
       人知れず 汗をしたたらす


遠目に見つめても
何が進展しているのか
昨夜と今夜だけではよくわからない
中長期的な過程を
黙々と 黙々と 彼らは積み重ねていく


何階建てになるのだろうか?
何万人の人が一日に利用するのだろうか?
ひたむきな影の一つ一つが
壮大な未来を この鼓動に描かせる


何をするでもない風呂上がり

窓辺で
夏の夜風に当たりながら

 今夜も
      その工事を  子守り歌を聴くように
                いつまでも見守っている

    


 
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何もない交差点
小学校のプール脇に位置する
小さな静かな夜の交差点

闇に溶けた
黒のワンボックスカー
その周りに五、六人の男女
小さな声で
今日を振り返ったり
明日の予定を話し合ったり
長い6月の夜を楽しんでいる

それは まさに青春
遠目から見ても青春
あれくらいの年頃
私は何をやっていたんだっけ
思い返すだけで
切ない風が巻き起こる

似たようなこと
していたんだろうけど
あの頃には
それも 日常の一部でしかなく
そんなに
ありがたみも感じず
よく噛み締めていなかった

何もない夜
何もない交差点
ありふれた一日だったとしても
そこで別れを惜しむように
会話を交わせば
それだけで満たされた
あれは まさに青春だった


 


 
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食べごろかな
そろそろいいころじゃないかな
独り言を重ねながら
ホットプレートで

今夜は焼肉
ワイワイガヤガヤ
人の声は全くしなくても
ワイワイガヤガヤ
具材たちは小気味よくやかましい

何を食べたのか
記憶に残らないようなものばかりではなく
あれを食べたと
翌日になってもしっかりと
覚えているような歯応えのあるものを

材料を買いに行って
値段と相談して
トントンと切り分けて
食器の準備をして
プレートに並べて焼いていく

無理しない程度に
カロリーなんかも気にしつつ
神経質になりすぎずに
焦げ過ぎないように気を遣いつつ

時間をかける
ってほど時間もかけてないけど
過程を大切にする
ってほど長々とした過程でもないけど

「いただきます」を迎えるまで
たまにはこうやって
ちゃんと手を尽くしたくなる
一人暮らし三年目の春

 


 
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遅かれ早かれ
向き合わなければならなかったのだろう
当事者ではないのに
緊張で心臓がどうにかなってしまいそう


光と闇が
階下で 
息を潜めるような静かな声で
これまでの
鬱積や疑義を突き合わせている


いくら観察者とはいえ
それは抽象の糸にまつわること
口を挟む余地はない
しょせんは他人事にすぎない
強がりな部分は多々あるけれど
事態の推移を 見守ることしかできない

 
この後
闇は
どんな顔をして
このことを僕に話すのだろう

その時
僕は
どんな顔をして
その話を聞けばいいのだろう

 


 
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宿題、テスト勉強、模試対策・・・
一つ一つがつながっているようで
一つ一つが断絶しているようで

何を言っても
時は待ってくれる気配などなく
誰に嘆いても
最後には自分で背負うしかなく

ぼんやりとしたままの未来に
形式ばった夢をまぶし
勉強漬けの根拠とするが
全力の波は日々の気分に流されやすい

勉強しながら
これでいいのか
このままでいいのか
絶えず迷いながら進み
怠けがちな身体はスケジュールで縛り上げ
今朝も早めに登校して自主勉

スッスッ、トントントン、スッスッ・・・・・・
ノートやプリントに
埋められていく文字が静かに響く
窓の遠くからは
朝練の声が潮風のように滲む

「おはよ」と
言われて顔を上げると
ここ最近
勤勉の原動力となっている
控えめな微笑がそっと咲いていた

 


 
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そこから見れば
快晴にしか見えないのだろうが
ここから見れば
ひとしきり土砂降りのような悪夢

手渡しておくべきだった
 吹き荒れる直後の懺悔も
 ほどなく形式的な表層に漂着
代案らしい代案も出さず
 議論することの価値を議論し
 いたずらに後らかしていく腐臭

何度目の過ちか
数え、分析し、評価するのが馬鹿らしい
忘却を危惧していたことさえ
なめらかに忘却していくことに慣れっこ

奏で落ちる弦楽
憂いを増していく夜半
気軽な現実逃避とは思いつつ
落涙することでしか
この時代に この場所で
 絶望に浸ることも満足にできそうになく

 


 
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