殺してしまいたかった 
 


                そのまま見送るくらいなら







                すべてを壊してしまいたかった 
 

                この手で君のすべてを







             律儀にも神妙な面持ちで切り出されたから

             静かにうなずくことかしかできなかった







               君のせいじゃない 



                  じかんのせいじゃない



                      才能のせいじゃない







          神経を満遍なく伝わるメッセージさえ素直に受け取れず









            殺してやりたかった   選択肢はもうなかった



            すべてを壊してやりたかった これから広がる先の世界を







                それなのに
                律儀に呼び出してきた


                初めて出会った以来の
                喫茶店に







                 静かにうなずき  

                 微笑むしかなかった







                 理由をいくら並び立てても


                 約束を交わしても




                 もう無理だと









                         君のせいじゃない
 


                         じかんのせいじゃない
 


                         才能のせいじゃない 



                         運命のせいじゃない



                         僕のせいでもない