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「視界不良」の電光表示を無視して
向う男たちの背中に 
思わず探してしまう 亡き父の面影

崩れていく 
秒針を振り切るような速度で
表情も、色彩も、形状も 
このジオラマの一部であったかのように
そもそも始めから 
このドラマのために
用意されていたかのように

昨日
なんの見返りもなく助けてくれた人々が
今日
口実らしい口実も持たぬまま抜け駆けに

昨日
なんの見返りもなく掬ってくれた統治が
今日
大義らしい大儀も持たぬまま切捨てに

信じられる対象が悉くなくなっていく 
麻酔の一つも 打つことさえ許されず 
手術台への列へと引き摺られる 
何のための手術なのか 
誰のための手術なのか  
知らされることもなく 
難解な用語に満ちた
読みにくい通知一つだけで

巨大なおもちゃ箱をひっくり返していく  
たった数十の気まぐれが微笑を抑えながら 

ページをめくらずとも
物心ついたときから それとなく気づいてた  
不条理を前提とした 維持体系であること

巨大なおもちゃ箱をひっくり返していく  
たった数十の気まぐれが保身を隠しながら 

ページをめくらずとも
物心ついたときから それとなく気づいてた  
そんな不条理が 
まざまざと 何食わぬ顔で続いていくこと
 



 
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電子詩集
 「 わたしが聴きたかったJ-POEM 」
 
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