走り始めた
向かい風さえも、今は心地いい
 

走り始めた
追い風に押され、心は晴れやかに
 

0から 
1つ1つ 
たしかな熱とともに
すべてが真っ白なまま 
始まりを待ちわびている
 

走る意味に
囚われるのではなく
走る煌きに
まっすぐに染まっていく 高揚を選び取る
 

夢のような 道のりなのだとしても
幻のような 歩みなのだとしても
 
この今は 
その今は
「何か」を夢見ている 
「誰か」へと届けようとしている
 

走る心を見て
勇気づけられること あまた
 

走る鏡を見て
思い起こさせられること あまた
 

朝が今日も
昨日とは違う朝が
走ってゆくすべての心を やさしく 包み込んでゆく
 

朝が今日も
明日とは違う朝が
走ってゆくすべての鏡を やさしく 抱きしめてゆく
 

果てなき荒野に吹く向かい風 
全身で受け止めて
 

深い深い森を駆け抜ける追い風 
五感で感じ抜いて
 

漫画みたいに
ドラマみたいに
映画みたいに
小説みたいに
芸術であるかのように 無理することなく乱反射