イメージ 1
 

 
終わりを予感したのだろうか。
になっても渡り鳥は渡っていこうとしなかった。
 
 
 
9月を過ぎると思い出すよ。
あの頃のあの君を。
 
 
 
響いてくれ、響かないでくれ
繰り返してばかりいたあまのじゃく。
 
 
 
届いてくれ、届かないでくれ
素直になることができなかったぶっきらぼう。
 
 
 
あの頃のあの君にもう一度会えたら
あの頃のあの君ともう一度話せたら
叶わないことを思い浮かべる10月の始め。
 
 
 
変わりゆく街並みの中で
自分だけが変われていないような虚無感。
 
 
 
移りゆく人並みの中で
自分だけが止まっているような寂寥感。
 
 
 
あの頃のあの君が年々眩しくなっていくから厄介。
あの頃のあの僕が年々濃くなっていくから厄介。
 
 
 
後に残ったのは大きな大きな後悔だけだった。
予感していたんじゃないのか?
うっすらとこんな後悔に包まれること。
なのにこうして決めてきた
こうやって繰り返してきた
その積み重ねが今じゃないのか?
どうなんだ、自分よ。
 
 
 
始まりを諦めたのだろうか。
になっても渡らなかった渡り鳥は
結局、渡ることなく冬を越えた。