「見せモノじゃない!」
理解できる
共通言語をもっていたとしたら
彼らだって
そう言いたい日があるんじゃないのかな

親子連れやカップルたちの
笑顔を咲かせるために
せっせと一芸を
来る日も、来る日も磨き上げていく

「この仕事、辞めたいんです」
と自分から言うことのできない彼らは
駄々をこねるか
 体調を崩すか
  人を傷つけるか
   老化を待つかして
    客寄せ稼業から離れていく

ベテランだろうが
引退間近だろうが
辞めたいときは辞めたいんだ
辞めたいときが辞めどきなんだ

衣・食・住に恵まれた
それと引き換えに
野生のように伸び伸びとはできなかった

幸せなのか
不幸なのか
はっきりとしない瞳で
 檻の向こうの空を 見上げていた