橙に包まれた浅い青

受賞・入選など14篇。 写真詩・イラスト詩・ポエム動画など2333篇以上を公開。

タグ:ポエム


振り返る
べき時じゃない時に振り返り
ああでもない
こうでもない
結論なき迷路へと進んで迷い込む

何もかもが
芳しい手招きで誘っている
目移りさせていては消失の一途だよ

何を犠牲にして
何を無駄にして
ここまで来たのかなんて考えても
それらしい答えなど
それらしい応えなど

永劫回帰を思わせるしぶとさで
命題は巡り巡って
さっき昇ったばかりの陽を落としていく

その横顔だけで満たされたなら
こんなに悩まずに済んだのかもしれない
時間軸に犯されてしまった
「孤独」とはもう呼べない鬱を抱えながらも

わたしは振り返るのだろう
何度も、何度も、こうして振り返るのだろう
それだけは確実だ
それだけしか確実なんてないんだ



( 第64回 瀬戸市文芸発表会 詩 入選 )




何をやってるんだ
何がしたいんだ
続く晦渋の自問自答が虚空に響く

嘘で塗り固めた経歴は
当人でさえもいつからか
どこからどこまでが嘘なのか
真実と見分けがつかなくなってしまった
身勝手な原罪意識がもたげ
相槌を打つことさえ
打算に過ぎないのではと躊躇わせる

白銀の摩天楼
焦がれた思春期の残像
齧り倒した喪失の初春の名残
狂おしい濃度で畳み掛けるすべては
走馬灯のようにもったいぶった加速度で
あらゆる神経を瓦解させ
深海へと不埒に寄せては返していく

五感が不感症を患って久しい
最後に鏡に向って微笑んだ記憶も危うい

パン滓の残る
トースターからは
焦げついた匂いがうっすらと
火葬のような趣でうっすらと
漂いつつ
鼻元をくすぐっては 薄れていく今朝だった



( 第49回 岐阜市文芸祭 現代詩 佳作 )




2009年
第49回 大垣市文芸祭 詩の部 佳作




2011年
第47回 岐阜市文芸祭 一般の部 歌詞 入選


第38回 羽島市文芸祭 現代詩 入選


名古屋市民文芸祭 第62回 名古屋短詩型文学祭 詩部門 佳作




2012年
第45回 多治見市文芸祭 詩部門 奨励賞


第3回 関市文芸作品展 現代詩 一般の部 佳作


第48回 岐阜市文芸祭 一般の部 現代詩 佳作


第39回 羽島市文芸祭 現代詩 佳作


第42回 各務原市文芸祭 現代詩 文芸祭賞




2013年 
第46回 多治見市文芸祭 詩部門 入選


第40回 羽島市文芸祭 現代詩 入選


第49回 岐阜市文芸祭 現代詩 佳作


第53回 大垣市文芸祭 詩 佳作



2015年

第64回 瀬戸市文芸発表会 詩 入選






肯定も否定もされず
曖昧な「いいと思うよ」で
ぬるま湯の中
認められも許されもしないまま
漂い続けている
たぶんこれからもそんな予感

時代
といってしまえばそれまでだが
世代
といってしまえばそれまでだが

少子化や晩婚化を背景に
草食と肉食に振り分けられてしまいがちでも
その本質で蠢いている雑食精神

内向きやら受け身やらなんやらと
レッテルを貼られがちな氷河期にあっても
その深淵には燃え滾る暖炉がある

悲観しようと思えば
いくらでも悲観できてしまう
絶望しようと思えば
いくらでも絶望できてしまう
「現代は・・・」なんてそんなもんさ
「最近の若者は・・・」なんてそんなもんさ

いっちょ
境界線を引き直してみるのも一興
いっそ
世間のモノサシと距離感を保つのも一驚

現実も理想も平等に吸収しながら
謙虚と遠慮を履き違えず
この時代の
「若者」なりにその若さを活かせばいいさ
この世代の
「若者」なりにこの若さを活かすとするさ



( 第40回 羽島市文芸祭 現代詩 入選 )




ニット帽の幼女
白髪交じりの老女
スクロールする駐車場で
台本でもあるかのように立ち止まる

言語なき会話
紡がれる身振り手振りの無重力
窓越しに観察する月曜日のわたし

縁取る午前の陽光
遮り始めた厚い灰色の雲
促されるようにして
幼女の母はマフラー片手にやって来る

水たまりもないアスファルトにも関わらず
陽光はプリズムと見紛うばかりの細やかさで
透明な黄金色の額縁そのものとなり
その三人を静かに縁取っていく

世界は
わたしが想うほど
素晴らしいものではないのだと
世界は
わたしが想うほど
くだらないものでもないのだと

教え諭すかのように
午前の陽光は
ふんだんな慈悲を
未だ見ぬ午後へと受け継いでゆく



( 第53回 大垣市文芸祭 詩 佳作 )




ひまわりを背に
端正な顔立ちがしっとりと崩れてゆく
シャッターの音が
シャッターの音だけが
あたり一面に 静かに 降り注いでゆく

火曜の午後
思いつくまま講義をすっぽかし
キミを連れてやって来た
壮大なひまわり畑

夏はまだまだこれからと
自分で自分に言い聞かせたくて
雑誌カメラマンを真似て
その儚さを 永遠にしようと想った

振り切るように
思い出すように
ふいに走り出すなめらかな被写体
その姿を追ううちに
撮ることが どんどんカタルシスに

どこに行くかさえ聞かず
黙ってついてきて
モデルよりモデルらしい
モデル然とした振る舞いを始めた時
久しぶりに
その全身から”女”を感じた
ため息を忘れるほど”女”を感じた

汗なのか涙なのか
よくわからないものが
その頬を この頬を つたってゆく

シャッターの音が
シャッターの音だけが
この葛藤を縫い ひまわりを潤してゆく



( 第46回 多治見市文芸祭 詩部門 入選 )




愛に紛れた憎悪が引き千切る
崇高な結び目を容易く
歴史的経緯を踏まえずに
考慮らしい考慮の跡も残さずに

中枢を巡る空虚な交響曲
場末の雑音と大差ない不協和音
表向きはスーツでマニフェストをビシッと
内輪においても理想論でネクタイをキチッと
ただ口から出る内実は
思いつきか単調かの軽薄止まりの能足りん

後先の枠外で重なる躊躇
臨機応変より整合性を重んじるあまり
修正よりも保身に腐心していく悪循環
その傍らで置き去りにされていく真実たち

巧妙な間を経てから開示される
形式的なシミュレーションのお粗末さ
被害拡散の根源が
しおらしさとは正反対の振る舞いで
堂々と重厚な論理の傘を掲げて難攻不落演目

何が国家だ
責任のかけらも滲ませないくせに
何が国民だ
数年で忘却にかまけて他力本願のくせに




求めちゃいないよ
気にしてなんかいないよ
わざわざ言明するのが胡散臭いよ
わかってるよ
わかってるけど
否定せずにはこの
なけなしのアイデンティティは
廃れちまうってもんよ

焦がれてるよ
ああ焦がれてるよ
ランキングというランキングに
音楽も、文学も、経済も、何もかも
上位ばっかチェックして
その上っ面ばっかチェックして
その時代に後れまいと
その世代に遅れまいと
インスタントな快楽を注いでたら
ほらまた夜明けだよ
そんなん繰り返してるよ
認めたかないけど繰り返しちゃってるよ

こんなアウトプットから
生み出されるインプットなんて
そんなインプットから
導き出されるアウトプットなんて
わかっちゃいるけど
かっぱえびせんと同じだよ

残念ながらないんだよ
拠り所が
震えなくて済む拠り所が
思わず叫ばなくて済む拠り所が
ランキングしか
ランキングしか




 寂しくて寂しすぎて
そこら中の携帯を徐に鳴らしていく
すぐに返答か返信は来て
少し満たされて
わざわざ時間割いて会ってくれる人もいて
なのに会ったら会ったで
数分もせずに虚しさの極み

何がしたい? 何もしたくない。
何をすべき? 何もしたくない。
と言いつつ
携帯だけは肩身離さず持ち歩き
今日も用もなく
寂しさに押されるがまま
君らの携帯を鳴らしています

寂しくて苦しくて
何が?と聞かれたら「特に・・・」
切なくて苦しくて
大丈夫?と聞かれても「うん」としか

高層の窓明かり
あの一つ一つで練られている
その構想にひけをとらない生き方を
できた今日だったのだろうか
できた昨日までだったのだろうか
声にならない
してはいけない独り言を繰り返すうちに
なんとなく頼んだ
フライドポテトが冷めていく




放り投げられたタオル
頑として掴もうとしない主義
一歩間違えば
要領が悪いとしか映らない

どんなに時代が流れても
根本的な生き方までは変えられない
時を経るごとに
無理してまで変える必要はないと痛感

逃げても逃げても逃げ切れない
それをマイナスと捉える時間も過ぎていき
やがてすべてはポジティブへと結ばれる

現実は甘くないが解釈の匙加減は無限大
突き抜けるべき瞬間はそれぞれの鼓動の中に
想像は甘くないが創造の醍醐味は無限大
焚きつけるべき瞬間はそれぞれの志向の中に

ペースがある
そのペースをまずは把握する
刻々と変わるそれを
他人事のように俯瞰して束ねていく

難しいことほど意外と簡単なもので
簡単なことほど意外と奥が深いもので

着地する寸前の
タオルを視界の片隅に見つめながら
まだ
そのタオルは必要ないと
冷静にハンドリング




自堕落の極みをなぞる
土曜、日曜のような平日を延々と
貪りつくすインスタント食品
満たされたらすぐエロ動画めぐり
肝心なことは遠まわし
暮れていくだけの毎日
拍車をかける要領の悪さと非効率性
履き違えも甚だしい芸術性を振りかざしては
正当防衛には程通い口実をこねくり回し
愛なき哀に耽りに耽って
時代錯誤としか言いようのない
悲劇のヒロイン気取りでのらりくらり
許されない生活水準の中でぬくぬくと
罰はいつ振ってくるのでしょう?
罪とはいつ向き合えるのでしょう?
根本的な問いさえも
単独では見つめられなくて
他力本願に他力本願を塗り重ねる自堕落




良く
見せようと見せようと思うがあまり
付き合って2週間の彼女に
「ここは俺が奢るから」と
今月は余裕がないことをひた隠す

良く
見せようと見せようと思うがあまり
ニートの息子に
「最近、就活はどうなんだ?」と
面と向って尋ねることもできなくなった

良く
見せようと見せようと思うがあまり
普段はそんなに話さぬクラスメイトに
「数学、何点だった?」と
苦手な数学で自分がいい点をとれた時だけ
自分から積極的に優越感を狩りに行く

疲れますね
思い返してその自分と向き合うと
嫌になりますね
改めてその自分を自覚しちゃうと

この「~ますね」という
共感を求めるような問いかけ自体が
自分を良く
少しでも良く
見せようと思ってしまう
私自身を表わしているのでしょうね




詩展2021
 
 ~ ポエトリーオンライン
   2012Dive 2016Drive 2017Dove ~ 
1


【 詩展2021 】 詩13篇 / 詩3篇 / 詩集7冊の全リンク
2


詩展2012 Shallow Blue in Orange
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詩展2016 名古屋詩 ポエム区 komasen333 1篇展示 観賞無料
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詩展2017 PM12:00~PM3:00 - Rolling7 -
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詩展2021




詩展2012 Shallow Blue in Orange

「 真っ黒な整列 」


「 君がいなきゃ 」


「 北東の水族館 」


「 青 」


「 知らずに済んだフクシマ 」


「 ニ大政党制 」


「 あの日から 」


「 時事 」


「 夜明けの食卓 」


「 民は広場へ 」


「 何才からでも研修中 」


「 だからこそ 」


「 パラノイア・セッション 」





詩展2016 名古屋詩 ポエム区 komasen333 1篇展示 観賞無料

「 Morning Moment 」


「アンインストール オール オーバー パレスチナ&イスラエル」


「 かかってこい、桜がすべて散ろうと。 」





詩展2017 PM12:00~PM3:00 - Rolling7 -

『 詩のない詩集 』


『 【*】 めくらないでください 』


『 あっという間の桃太郎 【 1話完結~30話~ 】 』


『 3つ星ポエム ~Power Push 39 Poems~ 』 


『 わたしが聴きたかったJ-POEM 』


『 あらゆる夜のあらゆる窓に光が灯る。 』


『 喪う一回性 喪う希少性 詩は 出逢う ふたたび死と 』





★42冊目の電子書籍をリリース!!!



 『 詩展2021 ~ ポエトリーオンライン 2012Dive 2016Drive 2017Dove ~ 』

スクリーンショット 2021-03-30 204100


< 内容紹介 >

詩展2021の電子書籍バージョン
( 詩展2012・詩展2016・詩展2017関連の
  ブログ記事や電子書籍を一挙ご紹介 )




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詩展2021はこちらから!






ようこそ、詩展2021。


会場は詩のブログ。
そうです、オンラインとなります。


会期はありません。
365日24時間開展中です。


内容は
過去3回の詩展(個展)をまとめたもの。


朝でも
昼でも
夜でも
読みたいときに
読みたいとこで
読みたいように どうぞ、どうぞ 詩展2021。


「 詩展2021 ~ ポエトリーオンライン 2012Dive 2016Drive 2017Dove ~ 」







2011年03月28日
われわれはどこかへ向い われわれは何者かになり われわれはいつかに応える



2011年04月23日
「 原発を今後どうすべきか 」



2011年07月10日
尊 ~1人1人の考える姿勢~

2011年08月17日
「 大震災の年 」



2012年03月02日
再稼働するか廃炉にするか。



2012年11月26日
知らずに済んだフクシマ



2013年02月19日
除き、洗いました。



2013年03月11日
忘れても、忘れても、忘れられない日



2013年07月02日
たとえば、今日で世界が終わるとして・・・



2020年06月25日
帰れない帰りたい





買いにいったんだ
買いたいモノがあったから
買いたくて仕方がなかったから

どうだろう
どうなってんだろう
買いたいものを見た瞬間
それは色褪せ始めていて
それでもやはり買わずにはいられなくて
結局は買うんだけど
買いたいものを買った瞬間
それはもう枯れてしまっていて
それでも「買ってよかった」と
納得するしかなくて

あっけないものだね
買いたい欲求なんてね
あっけないものだね
あんなに買いたかったモノなのにね

買いにいったんだ
買いたいものがあったから
買いたくて仕方がなかったから
たしかに買いたいモノがあったから
たしかに買いたいはずのモノだったから

認めたくないけど最近は
「買う」を「会う」に置き換えても
「モノ」を「人」に置き換えても
違和感らしい違和感がない僕らだよ




「見せモノじゃない!」
理解できる
共通言語をもっていたとしたら
彼らだって
そう言いたい日があるんじゃないのかな

親子連れやカップルたちの
笑顔を咲かせるために
せっせと一芸を
来る日も、来る日も磨き上げていく

「この仕事、辞めたいんです」
と自分から言うことのできない彼らは
駄々をこねるか
 体調を崩すか
  人を傷つけるか
   老化を待つかして
    客寄せ稼業から離れていく

ベテランだろうが
引退間近だろうが
辞めたいときは辞めたいんだ
辞めたいときが辞めどきなんだ

衣・食・住に恵まれた
それと引き換えに
野生のように伸び伸びとはできなかった

幸せなのか
不幸なのか
はっきりとしない瞳で
 檻の向こうの空を 見上げていた





詩展2021 
 ~ ポエトリーオンライン
   2012Dive 2016Drive 2017Dove
 



過去3回
(2012年・2016年・2017年)
ギャラリーで詩や詩集を展示した個展シリーズ。

今回「詩展2021」と銘打って
関連リンクを一気にご紹介させて頂きます。

そうです。
ただ過去リンクをまとめただけです。

新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み
今回の詩展はオンラインでの開催となります(というベタな体です)

 (*)一部リンク切れもあります(おい)


【 詩展2021 】 詩13篇 / 詩3篇 / 詩集7冊の全リンク



詩展2012 Shallow Blue in Orange




詩展2016 名古屋詩 ポエム区 komasen333 1篇展示 観賞無料




詩展2017 PM12:00~PM3:00 - Rolling7 -





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2021年03月16日
【 詩展2021のPR動画 】




2021年03月29日
【 詩展2021のプロモーションポエム 】




2021年03月30日~
【 詩展2021の電子書籍 】




2021年03月24日~
【 詩展2021関連のリンクまとめ 】








『 クアトロAサイド Force Dimension -another trip- 』




電子書籍





収録4篇

「 ツナのおかげ  【参考】RADWIMPS「夏のせい」 」



「 点あふれ 天ありふれ あまねく愛と哀 」



「 野心のエロス 欲心のタナトス 腐心のエートス ~ エロスパンデミックダンス / タナトスギミックコスモス / エートスサイケデリックカオス ~ 」



「 あの海へ飛ぶ鳥 あの空へ泳ぐ魚  【参考】 LUNA SEA「Make a vow」 」







大・長・多は
開放と回帰を実現する。

意図としても
印象としても
両極ではあるが
構造や物語が強くなるか
多様や分散が濃くなる。

視線の獲得か
刺激の喪失かの差しか底にはなく
点もあふれ
天もありふれ
あまねく愛は朝のように洗われる。



小・短・少は
凝縮と放射を実現する。

意図としても
印象としても
両極ではあるが
断定や画一が強くなるか
推量や曖昧が濃くなる。

単純な闘争か
短絡な逃走の差しか底にはなく
点もあふれ
天もありふれ
あまねく哀は雨のように愛される。





2010年 
第4回 電車と青春21文字のメッセージ 入選

1駅前で降りる横顔 1年間見つめた弱虫




2011年 
第5回 電車と青春21文字のメッセージ 入賞

その日から 
なにげない駅が、「君の駅」に





2012年 
第6回  電車と青春21文字のメッセージ 入選

5月の2両目に咲いた 
白く淡く遠いブラウス。



「帰りたい。
 もう一度帰りたい」
顔を合わせるたび 口に出る台詞

帰れない
当分、帰れない
下手すれば 一生、帰れない

わかっているから
なんとなくでもわかっているから
口にせずにはいられない
「帰りたい」とくり返さずにはいられない

幼くても
周りの大人やら
テレビのニュースやら
学校での噂やらなんやらから
敏感に 嗅ぎ取っているのだろう

どれだけ除いても
どれだけ洗っても
あの頃の風景は帰ってこないと
あの頃の世界にはもう帰れないと

自然と
口癖になったのではなく
自覚的に 口癖にしたのだろう

帰れないとしても
「帰りたい」という想いを失わぬように
そう想う今を
決して、決して忘れてしまわぬように

彼女は
「帰りたい」を
口癖にしようと 決めたのだろう



                ( 第39回 羽島市文芸祭 現代詩 佳作 )




梅雨を経て
伸びに伸びきった芝生
さすがにそろそろ刈らなければと
精を出した
真夏手前の土曜日

芝刈り機を
買うほどでもないスペースに身を屈め
剪定バサミで
チョキチョキ、こつこつと芝を整えていく

とことん綺麗にしても
すぐにボウボウと元通りになる季節
あまり神経質になりすぎず
大まかに芝の高さを揃えていく




休憩を挟まず
一時間くらいかかって
まあまあの見栄えが完成
汗や風とともに
散髪に行った後のような爽快感が流れる

剪定バサミを片づけ
ほうきで刈った芝を集め
可燃二十リットルのゴミ袋一丁上がり!
景気づけに水を撒いていく

ホースから
穏やかに放たれた放物線
その先に
うっすらと虹が架かってゆく

こんなことで
これだけのことで
土曜日は
まだまだ長いと想える



             ( 第48回 岐阜市文芸祭 一般の部 現代詩 佳作 )




 
時の問いかけに
とまどいながらも
特別な大切と

ため息つき
躊躇いつつも
試す尊さを



真っすぐな祈り 
今こそ もう一度


祈っても 
変わらなくても 祈らずには 


間違ったとしても
後から何度でも
くねくね回り道ドキュメンタリー


思い立ったなら
スピードに任せて
大胆に乗り込んで
祈りの溢れるあの海へ


これだけでいい
この祈りだけでいい
そう思いきれる祈りは
めったに注いでこないから


優雅に羽ばたいて
いるように見えた 大空


あの鳥には
鳥なりに
生存の葛藤があるのだろうか


突然に
忍び寄る光も招き寄せ
飛び立つことを選び取った 無邪気な老父のようで


空を渡るように 
海を飛んでいけたらと 祈りの数々 どこか似ていて


望んでいた
未来とは違っても
この希望は希望として 今にしっかりとつなげて そう



こだわるがあまり壊れていく 空までも
壊れていくほどに焦がされる 海さえも



真っさらな願い 
今だから もう一度


願っても 
変えられなくても 願わずには 


間違えたとしても
後から難度でも
山あり谷ありアドベンチャー


思い描いたら
クオリティに縛られず
最善を詰め込んで
願いの溢れるあの空へ


これだけでいい
この願いだけでいい
そう思い込める願いは
数えるほどしか降らないから


緩やかに泳いで
いるように見えた 海原


あの魚にも
魚なりに
実存の危機があるのだろうか


唐突に
降り注ぐ闇も抱き締め
泳ぎ抜くことを選び取った 無限大な少女のようで


海を渡るように 
空を泳いでいけたらと 願いの数々 どこか似ていて


願っていた
時代とは違っても
この理想は理想として 今にしっかりと溶かして さあ



あの鳥も
あの祈りよ
あの海へと


あの魚よ
あの願いも
あの空へと



【 参考 】

LUNA SEA「Make a vow」
https://www.youtube.com/watch?v=_-BwI0cVE1I





< LUNASEA関連のブログ記事 >


レビューブブログ
LUNA SEA関連のレビューまとめ


雑記ブログ
LUNA SEA(ルナシー)雑感




すれ違わない街角
風を切って歩く寂寥


大衆がいなければ
孤独も思うように味わえないと
身をもって知る4月下旬


ふいに出会っても
立ち話さえもそそくさと
アンドロイドよりも
ヒューマノイドよりも
ぎこちないヒューマン




医療用でも
スポーツ用でも
なさそうなゴーグル
つけた人とすれ違う交差点


開け放たれた
カフェチェーンのドア
店員の気配すら希薄で


レジも
受付も
飛沫感染対策でビニールカーテン
しっかりとマスク&手袋
トレーにもビニール


開けたままの窓
この季節にしては肌寒い
寒暖差が続く日々




ロックダウンにしきれない
中途半端な移動制限の箱庭


後手後手に縛られた政府
先手先手せっつく都道府県


休業要請
遅れてしまう補償
全然足りない模様


緊急事態宣言下
目視で数えられてしまう繁華街
移動量はデータ
補足されるリアルタイム




ステイホーム
良くも悪くもカジュアルな響きに


命令されなくても自粛の波
どうしても際立ってしまうマイノリティ


強制されなくても自粛の波
平時以上に強風に晒されるアウトサイダー


暗黙の了解
煮え切らない感覚
押し隠したまま感情
お互い様でストレス飽和




ソ ー シ ャ ル ・ デ ィ ス タ ン ス 
自 覚 的 か
も う 自 然 化
い つ か ら か
意 識 し な く て も
空 白 に 満 ち た 距 離 感 ダ ン ス




オープンエア
普段なら人気のない公園も
どこからか
気分転換の皆様ちらほら


時間差でも
まとめ買いでも
3密解消は難しき
ご近所のスーパー&ドラッグストア


思いつきのポエム
風景描写も
狙い過ぎた
現代アートみたいなぎこちなさ




ネットに
おうちに
オフィスに
こもりきって浮かぶ軟弱と柔軟


ねえウィルス
今はどこで感染拡大していますか?
今はどれくらい増殖拡散しているんですか?




まだ
まだまだ
「ただいま!」って
大声が溢れていた日々には


まだ
まだまだ
「行ってきます!」って
駆け出していく日々には




まだ
まだまだ
いつまで続くのだろうか
どこまで続くのだろうか




それでもまだ
思い描ける
思いっきり深呼吸できる あの季節を


それでもまだ
想い求める
思うように無限大に繋ぐ この未来を

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