梅雨を経て
伸びに伸びきった芝生
さすがにそろそろ刈らなければと
精を出した
真夏手前の土曜日

芝刈り機を
買うほどでもないスペースに身を屈め
剪定バサミで
チョキチョキ、こつこつと芝を整えていく

とことん綺麗にしても
すぐにボウボウと元通りになる季節
あまり神経質になりすぎず
大まかに芝の高さを揃えていく




休憩を挟まず
一時間くらいかかって
まあまあの見栄えが完成
汗や風とともに
散髪に行った後のような爽快感が流れる

剪定バサミを片づけ
ほうきで刈った芝を集め
可燃二十リットルのゴミ袋一丁上がり!
景気づけに水を撒いていく

ホースから
穏やかに放たれた放物線
その先に
うっすらと虹が架かってゆく

こんなことで
これだけのことで
土曜日は
まだまだ長いと想える



             ( 第48回 岐阜市文芸祭 一般の部 現代詩 佳作 )